デジタルスケッチメイキング 001 AdobeLine・iPad mini

今日も今日とて絵の練習。というわけで、今回はAdobe Line&iPad mini Retinaでお絵描き(風景をトレース)をしてみました。

メイキング動画

というわけで、今回もメイキング動画(0:24)短ッ!

今回はAdobe Lineなので、手持ちのiPhoneで撮影しています。ここまで履歴を確保しているなら、Procreateみたいに動画書き出しにも対応してくれると楽なんですけどねぇ。

簡単な作業工程

ま、トレースなので作業工程も何も無いのですが、一応。

Step1 トレースする風景・写真を決める

最重要事項。

トレースって、難しくはありませんが、とーっても根気のいる作業なので「描かずにはいられない風景」「長時間眺めていても平気なくらい気に入っている風景」を選びましょう。もちろん「絵になる風景」を選ぶことも忘れずに。

私は日頃から「あぁ、この風景を描きたいなー」と思ったらすぐにiPhoneのカメラで撮影するようにしています。(マナーやルールは守りましょう!)

もし、余裕が有るようならば写真を撮ると同時に「どうして描きたいと思ったのか」「この風景のどの辺が気に入ったのか」などもメモしておくと、良いでしょう。

後で絵にする時に、「どこに力を入れたいか」「何を描いて、何を描かないのか」判断する時に役に立ちます。日記的な使い方もできますしね。オススメです。

というわけで、今回選んだ写真はこちら。
m_IMG_5301 のコピー

(一部モザイクをかけています)

夜の上野アメ横(の近く)です。

このごちゃごちゃ加減とカラフルな看板がおもしろいなーと思って撮影しました。本当はProcreateのカラーイラスト用の写真だったのですが、線画でごちゃごちゃさを出すのもおもしろいかなと思い、今回採用しました。

今回はカラー用だったので、夜に撮影していますが、線画前提で写真を取る場合、昼に撮ったほうが圧倒的にトレース作業が楽です。可能であれば、明るい時間帯に撮影しましょう。

Step2 トレース準備をする

さっそくAdobe Lineで写真をトレースしていきましょう!

画面左下のアイコンをタップ、トレースする写真を選ぶウィンドウが表示されます。
m_IMG_5324 2

iPadのカメラロールまたは、AdobeCCのストレージから写真を選ぶことができます。

私はAdobeCCのストレージから選ぶことにします。
m_IMG_5325 2

写真を選択して【開く】
m_IMG_5326 2

カンバスに写真が表示されました。
m_IMG_5327 3
ピンチイン・アウトで大きさ・角度を、スワイプで貼り付ける位置を、左下のバーで写真の透明度を調整して、【背景に貼り付け】をタップ。

注意

この画面を開いている間は、下絵用写真の編集モードになっています!!!

うっかりピンチイン・アウト、スワイプすると下絵のサイズや位置が変更され、元の位置に戻すのに相当苦労しますので、注意してください!(下絵の濃度や位置は2本指スワイプでも元に戻りません)

さぁ、さっそくトレースしていきましょう!

Step3 基本的な操作を覚える

直線が主な風景の場合、トレース作業の殆どはスライド機能を使います。

スライドのオン・オフは右上メニューの三重丸アイコンをタップします。
m_IMG_5324 3

スライドの種類はその左隣り、定規のようなアイコンをタップ、プルダウンメニューから選択します。
m_IMG_5331 2

この絵では「線および基本シェイプ」「雲形定規」「楕円」「長方形」を使用しました。
m_Slidememo

基本的なスライドの使い方

三重丸の片方をタッチするとパック内の選択スライドが変わります
(「線および〜」だと【直線定規】【円】【正方形】【三角形】の順(または逆順)で変わっていきます)
三重丸二つで角度・位置の変更
三重丸一つで角度を維持したまま位置のみ変更
シェイプ・雲型定規などは、図形の近くでピンチイン・アウトで大きさを変更

細かい使い方は「AdobeLineの使い方」としてまとめる予定ですので、今しばらくお待ちください。

Step4 トレースする

あとはひたすらトレースです。

一気に仕上げようとすると、途中で「なんでこんな面倒くさい風景・写真を選んでしまったんだ!」となって、挫折するので、のーんびり、飽きたらやめて、気が向いたらまたやる、くらいの気持ちで進めていきましょう。モチーフは写真の中に閉じ込められているので、時間を気にする必要はありません。

めんどくさいなーと思ったところは、思い切って省略するのもアリです。今回は「COFFEE」という文字以外は全て真っ白いままにしました。だって、めんどくさそうだしw

美術の授業ではないので、正解はありません。気楽に楽しく、好きなように描きましょう。

Step5 色をつける

線だけで完成でもいいのですが、私はいつもちょっとだけ色を塗ります。

そうすると、殺風景な線画に表情がでて「それっぽく」見えるようになります。

「えー、でもセンスが無いから……」

わかります。私も色にはかーなーり自信がありません。でも大丈夫!そんな時は「Kuler」を使いましょう。

メニュー右下Kulerアイコンをタップ、「カラーのテーマ」ウィンドウが表示されます。
m_IMG_5333 2 (1)

ウィンドウ右上の+マークをタップ、すると「Kuler」内のカラーテーマが表示されるので、気に入ったカラーテーマを選択、右上のチェックマークをタップ。
m_IMG_5335 2 (1)

これで、先ほどのカラーテーマが追加されました。

あとはこのカラーを使って色を塗るだけ。

私は基本マーカーを使っています。

マーカーのサイズ・透明度を変更したい時はマーカーをタップし続けてください。
m_IMG_5336 2

合成にチェックを入れると、線画部分に干渉することなく色を塗ることができます。
m_IMG_5339 2

この辺の操作も「Adobe Lineの使い方」でまとめたいと思います。しばしお待ちを。

色を付けて完成!
UENO (1)(クリックでフルサイズ表示)

反省点・気がついたこと

使い方を把握するまで、時間がかかった。

Adobe Lineの細かい使い方を説明しているサイトがうまく見つからなかったんですよね。なので、手探りで機能を調べていきました。操作を理解し、慣れるまでが一番大変でした。

簡単な写真からはじめたほうが良かった

今回、描き上げるのに合計6時間ちかくかかりました。最初から張り切りすぎました。

幸い、いい感じに仕上がりましたが、イマイチな出来だったら悲しくてやりきれないので、最初はもうすこし単純な風景がいいかなーと思いました。

注意すること

ここで、私がハマった3大操作ミスをご紹介。

下絵の写真の濃度を変更しようとして、うっかり写真を動かしてしまう。

上でもちょっと触れましたが、下絵写真の濃度を調整しようとして、写真の調整画面を開いた状態で「ピンチイン・アウト、スワイプ」をすると写真が動きます。

ついついやっちゃうんですよね、「もうちょっと拡大して見てみたいな」→ピンチアウト→「うおおおおおお!」って。

この画面でのサイズ変更・移動は「ひとつ戻る」が使えないので、ちまちま直すしかありません。もう、ある程度トレースしちゃってる時にこれやるともう大変。本当、注意してくださいね。

トレース作業って、そうそう写真を動かさないと思うので、ロック機能が欲しいです。切実。

スライドは三重丸タップで種類を変えると、大きさが初期設定に戻ります。

ちょっと日本語変なんですけど、これねー。戻っちゃうんですよ、初期サイズに。雲形定規なんて位置合わせがとっても重要なのに、うっかり三重丸にタップしちゃったりして、ふぉおおおおお。

角度と位置が変わらないので、すぐに元の戻せますが、やっぱり辛い。せめてスライドのパックを変更するまでは大きさを記憶しておいて欲しいです。ほんと。

「一つ戻る」をしようとして、うっかり線を引いてしまう

回数的にはこれが一番多かったです。些細な事ですが、気が付きにくいので、けっこう大変。

今回のイラストの場合、直線の多い線画なので「不要な線」に簡単に気がつくことができましたが、複雑なイラストの場合、操作ミスに気がつかないまま作業を進めてしまって、直すのが大変!ということになりうる致命的な操作ミスです。

2本指スワイプを行う際は必ず、左上に「ひとつ戻る」マークが表示されていたか、「意図した所が消えているか」を確認するようにしましょう。

まとめ:iPadで直線が描けるってすごい。

iPad上で線を引いてみるとわかりますが、入りと抜きのタイミングで線がブレるんですよね。絶対。

油絵のようなタッチなら、スタート地点を変えたりなんだりして、ある程度調整できるのですが、線が主役の線画だと、このブレは本当に致命的なんです。

正直な所、iPadではこの先も美しい線は引けないだろうし、美しい線画も描けないだろうなと思っていました。

が、今回Adobe Lineのスライド機能を使ってみて、「あ、iPadでも線画いけるんじゃね?」と感じました。

スライドを使うと、入りも抜きも気を使わなくていいのでほんとうに楽なんです。シャカシャカ〜って。

「iPad」でお絵かきといえば、「Procreate」だと思っていたのですが、直線や幾何学的な模様がメインの線画は圧倒的に「AdobeLine」が優れいているなーと思ったのでした。

今後は、用途に合わせて、「Procreate」と「Adobe Line」を使い分けていこうと思います。

iPadのお絵かきの世界が広がる、「Adobe Line」オススメです!

最近読んでいる本

飽きっぽい私が最後までやりきれた本。くるみ製本なので開きやすいし、コンパクトで軽くて持ち運びに便利。内容も最高。人体を勉強したいなら、手元に一冊置いておいて間違いない。

構図やライティングで、画がババーンとかっこよくなる。映像を意識した絵を描きたいなら必読の一冊。