『宇宙の仕事』全話あらすじ・レビュー【Amazonプライム・ビデオオリジナルドラマ感想】

2016年9月からAmazonプライム・ビデオで配信されている『宇宙の仕事』の全話あらすじ・感想です。

この記事を書いているsakimitamaはこんな人

福田監督好き、菅田くん好き。大量のアイロンがけが発生したので、気楽に見られるドラマを探していた。菅田くん出てるし、福田監督だし、ってことで選んだ。

こんな人におすすめ

  • 勇者ヨシヒコが好きな人
  • っていうか福田雄一監督作品が好きな人
  • コメディ舞台が好きな人
  • 暇で暇でしかたない人

作品基本データ


『宇宙の仕事』
ジャンル:コメディドラマ
配信開始:2016年9月8日
監督・脚本:福田雄一
出演者:ムロツヨシ 菅田将暉 ほか
全10話

地球の恵まれた環境を知った宇宙人が地球侵略を試み侵攻してきた。それを阻止するべく“地球防衛軍”として招集されたのは、一見まとまりも使命感もないが、ある共通点を持つ男女6人。月に建てられたスペースピットと呼ばれる建物で宇宙人の侵略を食い止める使命を課せられる。その方法とは“説得”。説得に応じない宇宙人に対しては彼らの最後の手段を用いるのである。

原作は舞台

予備知識無しでドラマを見ていて最初に感じたのは、場の空気や声の出し方がすごく舞台っぽいなぁということ。それもそのはず『宇宙の仕事』は福田監督の主催する劇団「ブラボーカンパニー」が上演した同名舞台が原作なんですね。だから、台詞回しも、「間」もとても舞台っぽい。

地上波特有のCMによるカットもないし、厳密な時間制限もないので、より舞台に近い編集になっています。普段TVで見ている役者さんたちが舞台的空気の中でどう動くのか?というのもこの作品の楽しみのひとつです。

宇宙的な要素はありません

『宇宙の仕事』と聞くと、いかにも宇宙的SF的要素を期待してしまいますが、いわゆるNASA的要素、SF的要素はほとんどありません。いや、一応それっぽいセットと○○星人のキグルミは出てきますけど、ほぼ会話劇なので……。宇宙的な期待はしないでおきましょう。

全話レビュー

※この先はドラマ本編のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

第1話:パロール星人

初めての説得は寿命が1週間しかない薄命なパロール星人(大水洋介)。大人になるまでの10年間母親の胎内で過ごし、外に出たら1週間で死亡してしまうセミの様な生態らしい。しかし、最近謎の病原体のせいで、寿命が7日から半日に縮んで困っており、新天地を求めて地球侵略にやってきた。

え?一週間が半日になっても別によくない?俺たち100年生きる人もいるし、たぶん負けないよ? ……ですよね~。

てなわけで無事初仕事を終える地球防衛軍であった。

感想

物語冒頭、いきなり月に連れてこられて慌てているムロさんが完全にメレブで、このドラマの方向性を本能で察することができました。舞台慣れしている周りに比べ、菅田くんがちょっと浮いてるのも新鮮。

第2話:ゴーダ星人

地球防衛軍全員に予定があり、誰が月に残るか揉めている中、ゴーダ星の中間管理職ゴーダ星人(佐藤二朗)がやってくる。結局、みんな予定を優先してしまい、実吉(ムロツヨシ)ひとりで対応することに。

家庭や会社の苦労話でゴーダ星人と意気投合した実吉はうっかり地球侵略のOKを出してしまいそうになるが、「地球侵略がOKになりそうなのでなんとかしろ」と飲み会から月に強制転送された新子(池谷のぶえ)にあっさりと退治されるのであった。

感想

第2話にしてホトケ……もとい佐藤二朗さんが登場、最終話手前くらいで満を持してだと思っていたのに。佐藤さんと地球防衛軍メンバーの掛け合いが素晴らしい回。落ち着いた声とアドリブ(っぽく見える演技)は、ずーっと見ていたい心地よさがありました。面白いですよね~。

第3話:サンバ族

今回の宇宙人は、地球人が火星に解き放ったことが原因でテラフォーマーズ的進化を遂げた、元テントウムシ宇宙人、サンバ族(戸塚純貴)。目的は地球侵略ではなく「地球上のアブラムシを全部食いたい」という比較的平和なものだったが、サンバ族の特殊能力により偏差値の低さを指摘され怒った受験生・三島(菅田将暉)に退治されてしまう。

感想

てんとう虫カワイイ。サンバ族の戸塚さんが良かった回。いちばん好きです。ノリツッコミ的な要素のある長台詞ってうっかりすると白けちゃったりするのですが、空回りすることなく、しっかりコミカルに演じきっていました。まだまだ端役の多い役者さんですが、この先注目していきたいです。

第4話:タルパス星人

戦闘力も低く、巨大化もできず、なぜか東北なまりなタルパス星人(アルコ&ピース)をルキーニ(賀来賢人)と体育教師・牛山(橋本じゅん)が説得。ルキーニはライブのため途中で帰ってしまうが、なんだかんだ面倒見の良い牛山により時に暴力時に、時に熱血的に説得され、普通に帰る。

感想

全体的にのっぺりした回。ライダー俳優が無駄に出演するバンドマンコントが良かったです。みんな元気にやってるねぇ。がんばれー。

第5話:ゲルバーバ星人

アミダラっぽい見た目なのに顔が不細工で沖縄なまりの宇宙人ゲルバーバ星人(上地春奈)がやってきた。緊急転送された香織(西野七瀬)に「世界で一番カワイイのは私、あなたくらい不細工だといろいろ辛いと思う。でも笑いのセンスがあればお笑い芸人になれるかも」と説得され、泣きそうになりながら帰っていく。

感想

ゲルバーバ星人の勢い沖縄なまりが最高な回。っていうか、他はどうでも良い回。うそ、無駄にスター・ウォーズに金をかけている回。ちょっと中だるみ気味。

第6話:ロラリラス星人

今回は全身毛だらけフサフサのロラリラス星人(志賀廣太郎)。個体名はハフハール。

最初は三島と牛山が説得にあたったが、あまりの三島のバカさにあきれた牛山が、説得を放棄、ロビーで三島と受験勉強を始めてしまう。後から来た新子が説得を試みるも、宇宙人とうっかり意気投合してしまい、婚約することに。結婚報告のためよびだされたルキーニの「新子さんとザイルが結婚する確率、30パーはあるから」という言葉に我に返った新子は必殺技を使ってハフハールを撃退する。

感想

志賀廣太郎さん、いい演技しますよね。ちょっと優しいおじさんがぴったり。新子さんが実は職場で嫌がらせされてたり。みんないろいろ大変なんだなぁ、なんてほのぼのしたりしみじみしたりする回でした。

第7話:ゾルゲール星人

水を求めてやってきたものすごく弱そうなゾルゲール星人(鈴木拓)。あまりに弱そうだから今回は一人でいいだろって事で、かおりん一人で説得に。いつものように「え~嫌ですぅ怖いですぅ」キャラから一変、PSPを取り出し『コールオブデューティ』をやりながらガラ悪い感じでゾルゲール星人を罵倒する。やっぱり心配だから来ちゃった☆と、助太刀に来た牛山にかおりんの本性を訴えるゾルゲール星人であったが、一切信じてもらえず、殴られ説得され、星に帰っていく。

感想

かおりんの本性がついに現れた回。まさかのゲーマー。まさかのFPS。彼女のことをめんどくさい女だなと思っていた私ですが、ゲーマー、しかもかなりの腕前っぽいということで、これからは香織さんと呼ばせていただきます!

第8話:ソミアル星人

毎度おなじみ、山本美月さん登場回。今回はかわいすぎる両性具有の宇宙人、ソミアル星人で登場。毎度のことながら男性陣は全員一目惚れ、緊急によびだされた香織さんが対応することに。みんながいるときはネコを被っている彼女たちだったが、二人きりになると「嘘泣きしてんじゃねぇぞオバサン」「うっさいわこの小娘がぁ」的なバトル開始。バトっているうちに、ソミアル星人の男の面が目覚めてしまい、一気に男らしく進化。男になったソミアル星人は、興味を失った男性陣によってあっさり退治されるのだった。

感想

山本美月さんは、かわいい。西野七瀬ちゃんも、かわいい。その二人が汚い言葉で罵り合う。最高じゃないですか?

第9話:ゴールド星人

今回やってきたのは見た目が完全にチ○コな宇宙人、ゴールド星人(シソンヌ)。子孫繁栄のため、地球の女を誘惑しにやってきた。ゴールド星では一二を争うイケメンの2人だが、そのフォルムを見た実吉とルキーニがそっと諭す。

しかし、はっきりと言えない男たちは「その見た目じゃぁ……ねぇ?」「え?なんでなんで?」「いや……ねぇ?」みたいなやりとりをたぶん30回くらい繰り返しグダグダな展開に。

しびれを切らした内閣府は新子を地球から呼び出す。最初は男性陣同様、驚き盛り上がっていた彼女であったが、ゴールド星人にザイルをバカにされ怒り狂い、ついに「見た目が○ン○だからだよ!」とはっきり言葉にしてしまう。「えっ……あっ、そうなんだ。えっと、そういうことなら、地球は無理だね」ってことで、ゴールド星人たちは帰っていった。

感想

香織さんファン的には、お布団に入りながらのCoDシーンが最高でした。私もロシアの赤い薔薇に罵倒されたいスナイプされたい……。くぅっ!!!

ゴールド星人、もっとまんまの見た目を想像していましたが、そうでも無かったですね。海外でも配信あるし、大人の事情かな。舞台の時の衣装がとても気になる回でした。

第10話:ズガ星人

最終話だよ全員集合。最後の相手は最強の宇宙人ズガ星人。「なんかすげぇ強そう」ということで、全員で対応することに。

なんやかんやで、三島とルキーニがズガ星人のビームにやられ、牛山は学校のトラブルを解決するため一旦地球へ。

ヤバイ、ズガ星人チョー強い、地球防衛軍もここまでか……と、実吉と新子さんがやってる間に、三島とルキーニが目を覚ます。どうやらズガ星人のビームは地球人に無害、どころか能力を向上させる効果があったようだ。秀才になった三島と、歌が歌えるようになったルキーニは大喜び。しかし、その効果は3日しか保たないのであった。それを知った二人は「中途半端な夢見させやがって!」と、ズガ星人に八つ当たり。怒ったズガ星人は第二のビームで攻撃開始。今度こそ絶体絶命かと思われたその時、強力な新兵器をもった香織さんが颯爽と登場。あっという間にズガ星人を退治したのだった。

感想

というわけで最終回。いつもの感じで、ゴチャゴチャやって、なんだかんだで退治する。そんな感じの最終回。やっぱり全員揃ってワイワイやるのは面白いですよね。舞台感がでて楽しいです。敵の襲来エフェクトで終わるハリウッド的エンディングだったので、続編にも少し期待できるかな(笑

まとめ:菅田くんの成長物語

第一話と最終話で、菅田くんだいぶ変わりましたね。舞台の人たちに揉まれてずいぶん成長したように感じます。

序盤は「やっぱり舞台の人たちに混じると、力不足が目立つな……」なんて感じていましたが、最終回付近では、周りにのまれず、自然に個性を出せるようになっていました。さすが、仮面ライダーWで劇的成長を遂げたフィリップ君!

シーズンの途中には、演技中に笑っちゃったりしていて、私はそれがすごく残念だったんですけど、それも無くなり、全力で馬鹿を演じれるようになっていました。まぁ、シーズン途中の笑いも、ワザとなんでしょうけど「演技中に素で笑う」演技って、そうとう上手くやらないと、観てるこっちは冷めるんですよね。どっちを先に収録したかはわかりませんが、ヨシヒコ3部の盗賊とかわりと酷かった……。『仮面ライダーW』が「少年菅田将暉の成長物語」だったように、この『宇宙の仕事』は「青年菅田将暉の成長物語」だな、と感じたのでした。

このドラマでの成長が「銀魂」の実写映画で活かされている(By監督談※1)そうなので、今から見るのが楽しみです。

というわけで、あー、年末年始つまんないな、ヒマだな、なんかくだらないもの見てケラケラ笑いたいな~って時におすすめの作品『宇宙の仕事』全話レビューでした。

※1「宇宙の仕事」福田雄一監督『現場は完全に戦場(笑)』
http://news.walkerplus.com/article/87073/