【レビュー】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』

「書きたいことはあるけど、うまくまとまらない」
「どこから書き始めればいいかわからない」

今回はそんなアナタにピッタリの一冊、『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』をご紹介します。

基本情報

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング (できるビジネス)
著者:唐木 元
出版社::インプレス
ISBN-13::978-4844338727
発売日: 2015/8/7
※この記事は初版(Kindle)を元に書かれています。

どんな本?

コミックナタリー初代編集長として新人教育を担当していた著者が「書ける人が自然にやっている基本」を誰にでも学べる方法として伝授する初めての書籍。

こんな人にオススメ

  • 書きたいことがあるが、うまく文章にできない人
  • 作文技術を向上させたいが、何から手をつけていいのかわからない人
  • 文章を書く際、考えがうまくまとまらず長時間かかってしまう人

読んだ理由

文章を書くスピードが遅く、書きたいネタの半分も記事にできていなかった。この本を読み、執筆のスピードと文章の質を上げたいと思ったから。

注意ポイント

書きたいことがある人向け

『新しい文章力の教室』は「書きたいことがあるけど、うまく書けない人」向けの本です。この本を読んでも書きたいことは見つかりません。「何を書いたらいいかわからない人」は書きたいモノを見つけるのが先決です。

実用的な文章を書く人向け

著者はニュースサイト「コミックナタリー」の元編集長、というわけで内容は実用的な文章に特化しています。小説や詩など、創作をしたい人にはオススメできません。

オススメポイント

目標設定が明確

「良い文章とは完読される文章である」

これは第1項のタイトル、そして『新しい文章力の教室』のテーマでもあります。

冒頭で宣言されたこのテーマは、初心者が目指すべき目標として、最後までブレることなく提示され続けます。 読み終わる頃には「完読される文章」というキーワードが自然と身体に染みこみ、文章を書く上での新しいしるべとなっていることでしょう。

自分の状態を把握できる

『新しい文章力の教室』は5章・77項・208ページ。基礎的な文法から、書く人としての心構えまで、幅広い内容を網羅しています。例文を交えた丁寧な解説は、社内研修を元に作成された本書ならでは。

中には「こんな些細なことまで書くの?」と感じる項もありますが、それくらい細分化されているからこそ、自分のできていること・できていないことをハッキリと認識できました。

自分の現状を把握することは、学習の第一歩。自分の実力がわかったら、あとは足りていないところを補っていけばいいだけです。学力診断テストを受けるように、この本を読んで自分の実力を把握しましょう。

例文が豊富

『新しい文章力の教室』には多くの例文が収録されています。改善前・改善後が併記されているので、文章術の効果をその場で理解できました。

正直、タイトルだけでは賛同できない項もありましたが、実際に例示されると「なるほど確かに良くなっている」と、すんなり納得。私のようなひねくれ者にはピッタリの構成です。

印象に残った一文

盛り上がるのは書き手ではなく読者の仕事

(65主観の押し付けは読者をしらけさせる より)

イベントレポートは主観的であるべきと思っていたので、この一文は衝撃でした。

人に感想を聞くとき「おもしろかった?」とは聞くけれど、聞いた側が本当に知りたいのは「おもしろかったと思った根拠」の方なんですね。根拠を書いておけば、後は読者が感じてくれる。

今後は主観的な意見を控えめにしつつ、それを補うようなかたちで、客観的な情報・事実を増やしていこうと思いました。

まとめ:迷い途方に暮れている人のための一冊

私は今まで、書きたいことはたくさんあっても、うまく書きあげることができず、日々途方に暮れていました。メモ帳には、積読ならぬ積ネタがどんどん溜まっていき、見るのも嫌になってきました。

思い通りに表現できないのに、何をしたらいいかわからない。そんな私を救ってくれたのが『新しい文章力の教室』です。

この本は私ができていること・できていないことを細かく教えてくれました。「完読される文章」という、たったひとつの目標も示してくれました。あとは、できていないことを、ひとつひとつ身につけていくだけ。

今まで自由に書いていた分、窮屈に感じたり、かえって時間がかかることもあるでしょうが、文章力をあげるため、この本を片手に頑張っていこうと思います。

『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』は、書きたいことはあるけれど、どう表現していいかわからず、カタチにできないまま終わってしまう人にぴったりの一冊。私と同じ悩みを抱えている人は、ぜひ手にとってみてくださいね。きっと、新しい景色が見えますよ。

以上、sakimitamaがお送りしました。おつかれさまでした!