ペリカーノJrは、スイスの老舗文房具メーカー・ペリカン社が出している子供用万年筆。ポップな見た目と、しっかりとした書き味が特徴です。
安い!かわいい!使いやすい!と三拍子そろったペリカーノJrなのですが、実は大きな問題をかかえいます。
それは「コンバーターが使えるように設計されていない」ということ。子供用なんだから、扱いの楽なカートリッジだけでいいだろ、まずは書くことに集中しなさい!ってことなんでしょう。
が、しかし 「気に入った万年筆があったのなら、そのペンでお気に入りのインクを使いたい!」 そう考えてしまうのがインク沼の住人。
というわけで、今回はペリカーノJrで好きなインクを使う2つの方法をご紹介します!
必ずお読みください
これから紹介する2つの方法は、どちらもメーカーが推奨する行為ではありません。自己責任でお願いします。
ペリカーノJrは、使いはじめのインクの出がものすご〜く悪いです。初期不良を疑ってしまうくらいに。インクを出すため、無理に書こうとするとペン先を痛めます、やめましょう。落とす危険性があるので、振るのもいけません。それぞれの方法に合わせた対処法を併記してありますので、参考になさってください。
方法1 ペリカン純正コンバーターを使う
一番簡単な方法です。運良くコンバーターが使える個体にであえたら、とってもラッキー!そのままセットして好きなインクを使いましょう。
用意するもの
- ペリカーノJr
- 好きなインク
- ペリカン純正コンバーター または 欧州共通規格コンバーター
準備
今までカートリッジを使っていた場合は、ペン先を綺麗に洗浄しておきましょう。
汚れても構わない服・場所で作業をおこなってください。
コンバーターをセットする
ペリカン純正コンバーター(または欧州共通規格コンバーター)をペリカーノJrにセットします。
奥までしっかり差し込むことができ、触ってもグラつかなければ、アナタの持っているペリカーノJrは「選ばれし個体」、コンバーターが使えます。Congratulations!
インクをいれる
さっそくコンバーターを使い、インクを吸入してみましょう。
コンバーターのつまみを回し、ピストンを伸ばします。
黒いネジネジがピストン。
つまみを回しきったら、銀色の部分がすっぽり隠れるまでインクに浸します。
今回は色彩雫・露草を使用しました。
※黄色いゴムの部分は汚れが落ちにくいため、なるべくインクをつけないようにしてください。もしインクがついてしまったら、作業終了後にウェットティッシュなどで拭き取りましょう。
インクに浸したら、先ほどとは反対方向につまみを回します。ピストンが上がり、インクが吸い込まれました。
余分なインクを拭きとって、できあがり。
ペン先にインクがきているので、すぐに書きはじめることができます。
その2:コンバーターで直接吸い取る
インクボトルの口が狭かったり、インクが残り少ない場合はコンバーターで直接インクを吸いとりましょう。コンバーターの操作方法は先ほどと同じです。
ピストンを伸ばしてインクに浸す。
つまみを回して 少し控えめにインクを吸い上げる
コンバーターについた余分なインクを拭きとって
首軸にセットしてできあがり!
※インクが降りてくるまで時間がかかることがあります。インクがなかなか出ない場合は、ほんの少しだけつまみを回してピストンを下げ、ペン先にインクを流しましょう。やるすぎるとインクがドバーっと溢れます。ペン先を見ながらゆっくり作業してください。
その3:シリンジでインクをいれる
コンバーターすら汚したくない、そんなアナタはシリンジやスポイトを使いましょう。
インクを吸いとって
コンバーターに控えめに注入。
上から首軸をセットして完成です。
ダイソーの化粧品コーナーで売っている化粧品用スポイドはインクの詰め替えに重宝します。
※インクが出ない場合は、さきほどと同様、ピストンを少し下げインクを押し出してください。
方法2 使用済みカートリッジを再利用する
続いて、ペリカーノJrにコンバーターがうまくセットできなかった場合の方法です。使用済みのカートリッジを再利用し、好きなインクを使えるようにします。
用意するもの
- ペリカーノJr
- 好きなインク
- 空のカートリッジ シリンジ(注射器) または スポイト
準備
今までカートリッジを使っていた場合は、ペン先を綺麗に洗浄しておきましょう。
汚れても構わない服・場所で作業をおこなってください。
シリンジ
100円ショップで売っている化粧品用のシリンジを利用します。ダイソーでは「化粧品用スポイド」という商品名でした。
本来は化粧水や香水を詰め替えるための商品ですが、今回はインクの詰め替えに使います。一本持っていると何かと便利です。先は尖っていないので、ケガの心配はありません。
空のカートリッジを用意する
カートリッジを一本使いきり、よく洗って乾かします。洗うときにはシリンジを使うと便利です。
使いきるのが面倒な場合は、シリンジでインクを吸い出し、ティッシュや新聞に吸わせて処分しましょう。
シリンジでインクを注入する
シリンジを使って、空のカートリッジにインクを注入します。今回はドクターマーチン シンクロマチック23ビリジャン(VIRIDIAN)を使いました。
シリンジでインクを吸いとり、
空いたカートリッジに注入。
ギリギリまで入れたくなりますが、グッとこらえて6〜7分目くらいまでにしておきましょう。
本体に差し込む
インクが入ったカートリッジを立てたまま、首軸をはめ込めば完成です。
※こちらの方法もインクが降りてくるまでに時間がかかることがあります。すぐに使いたい時は、カートリッジを左右から押してください……と、いいたいところですが、ペリカンのカートリッジは固くて押せません。しっかりキャップをつけて「軽く」振る、もしくはシリンジを使ってペン先から一滴ずつインクを入れ、カートリッジのインクとつなげましょう。
注意
カートリッジは、コンバーターのように連続使用を想定した作りになっていません。1〜2回使ったら交換してください。頻繁に使うようであれば、コンバーターをセットできる個体を探したほうが早いです。
ちなみに、欧州共通規格であれば他社製カートリッジも使えます。使用済みカートリッジをゲットするついでに、新しい色を試すのもいいですね。
以上、ペリカーノJrで好きなインクを使う方法、sakimitamaがお送りしました。お疲れさまでした!