これは私がヒヤシンスを水耕栽培した時の記録です。毎日観察日記をつけていたわけではないので、曖昧な部分もありますが、これから水耕栽培をしようと考えている方、現在水耕栽培をしている方の参考になれば幸いです。
※ヒヤシンスはユリ科の植物です。ユリ科の花粉はネコにとって非常に有害なもので、最悪命を落とします。ネコを飼っている方は育てないでください!
こんな人にオススメ
- ヒヤシンスの水耕栽培に興味がある方
- 自分のヒヤシンスが無事育っているのか気になる方
sakimitamaはこんな人
引越しを機に植物を育てはじめた。2016年に植えたシソ(種・苗)は異なる原因で両方失敗。辛い。寒い冬でも育てられる植物を探していたトコロ、ヒヤシンスの水耕栽培に出会う。ちなみに小学校の時は根を腐らせてしまい、失敗。本当に辛い。
基本データ
種類:ヒヤシンス 桃花種(水耕栽培用)
花の色:白〜ピンク(球根の色:紫)
購入場所:近所のホームセンター
容器:ペットボトル→ガラスのコップ
その他:液肥・根腐れ防止剤不使用 水換えは1週間に1度
購入日:2016/10/9
発根:2016/10/15ごろ
発芽:2016/12/10
開花:2017/1/6
記録
2016/10/9(1日目)
ホームセンターで買ってきた球根を、500mlのペットボトルを切って作った容器にセット。球根の底にギリギリ水がつくくらいの水位にして、冷蔵庫に保存。
※球根は極力濡らさない。濡れるとカビや腐れの元に。ヒヤシンスは冬の花、冷蔵庫(暗くて寒い場所)に置いて、冬場の土の中を再現することで芽を出す。
2016/10/15(7日目)
数本根が出だした。
2016/10/18(10日目)
王蟲の触手みたいな勢いで根が出はじめた。気持ち悪い。この日から、水の量を少しずつ減らしていった。根が伸びる→水を減らすの繰り返しで、最終的に球根から40mmほど低い位置で固定した。
この先、2ヶ月近く根だけが成長する期間が続く。耐え忍ぶ時期。
※水を減らすことで、球根の腐敗を防止。水を求めて根がよく伸びるようになる。
2016/12/10(63日目)
ついに発芽。小さな黄緑色の芽が出た。小鳥のくちばしのようなかわいい芽。写ってないけど、根はワシャワシャ生えている。冷蔵庫から出し、温かい室内に移動した。同じ部屋にペットもいるため、夜、寝る時間以外は電気つけっぱなしの環境。日光は当たらない。
2016/12/14(67日目)
怒涛の成長。蕾のようなものが見えはじめる。
2017/1/5(89日目)
根が物凄い勢いで成長し、ペットボトルから浮いてしまう状態になったので、ひとまわり大きいガラスのコップに移し替えた。あいかわらずニョキニョキと成長。この調子で行けば、年内に花を咲かせると思っていたが、そんなに甘くなかった。茎ばかりが伸び、少し不安になる。
※伸びすぎた根は切っても大丈夫だという情報をネットで見たが、枯れるのが怖いので実行できなかった。
2017/1/6(90日目)
外出から帰ってくると、花が咲いていた。
2017/1/8(92日目)
すべての花が咲いた。少しずつ花が開いていくので、日が進むにつれ花の密度が上がり、ゴージャスでファビュラスな雰囲気になる。
2017/1/10(94日目)
花が咲いたにも関わらず、茎の成長は止まらない。自重で首をもたげるようになった。茎が折れてしまいそうなので、割り箸で支えを作った。
2017/1/12(96日目)
それでも茎が伸び続ける。完全に徒長である。植物にはやはり日光が必要なのだ。茎の下の方に、小さな蕾が見えた。ふたつめの花にしっかり栄養がいくように、ひとつめの花の茎を根本から切り、切り花にすることに。ごめんね。
※茎で光合成おこなうので、日に当てて育てている場合や、土で育てている場合はむやみに茎を切らないほうが良さそう。
2017/1/14(98日目)
切り花の花が少し傷んできた。すべて枯れる前に記録を残しておこうと、様々なメモを取った。
2017/1/15(99日目)
ふたつめの花が咲いた。ひとつめに比べると花房も蕾も小ぶりだけれど、とてもかわいい花だ。
2017/1/23(107日目)
やっぱりこっちも茎が伸びてしまう。花の重みとは関係なく、曲がって成長してしまった。原因は不明。来年は紫外線ランプを購入しようかな。
2017/2/1(116日目)
花がすっかり萎れてしまった。水耕栽培は基本1年で終わりだそうなので処分。また来年。
パーツごとの記録
香り
とても強い。人によっては不快感がある。LUSHなどで頭痛になる人は、生活圏より少し離れたところに置いたほうが良い。香りの強い時期は、食卓に置けない。花の咲き始めと咲き終わりで香りが少し変化するように感じた。(後半になるにつれ、青臭くなる・花の匂いが弱くなる?)
アレルギー
球根に触れることで手が痒くなるアレルギーがある。肌の弱い人やアレルギー体質の人は、水換え時に手袋の利用をオススメする。
花
花房の長さは150mm。花の数はおよそ40個。(ひとつめの花)
花びらの数は基本的に6枚。雄しべの奥に小さな雌しべがある。基本的にはユリと同じ。
2つの花が繋がって8枚になったり、7枚になったりするものも、1割程度あった(日光がないことや、水耕栽培による影響か?)。どの花も、雄しべの数と花びらの数は等しい。
花びらは根本から分かれているわけではなく、途中から分かれている合弁花。タコさんウィンナーの様な形。日を追うごとに花びらのカーブが強くなっていき、正面から見た時の面積が大きくなるため、花房の密度が上がったように感じる。見栄えも良くなる。ファビュラス。枯れてくると、花びらは縮み、色が濃くなる(水分が抜けるため?)。
茎と花の境目には、なにかヒラヒラしたものがある。これは一体何なんだ。苞?
花が枯れてきたので解剖してみた。蜜っぽいものが見える。
せっかくなので新しい花も解剖。花弁が枯れる頃には、子房が膨らみ色が変わっていた。このまま放置しておけば種ができたのだろうか。
葉
葉はネギのような白〜緑のグラデーションである。内側に向かってカーブしているので、肉厚に見えるが、実際は向こうの光が透ける程度に薄い。
茎(ひとつめの花)
茎は直径10mmと、全体のサイズに対して太く、緑の中にやや茶色が入っている。フキのような色。日光にほとんど当てなかったため、徒長してしまった。花房と合わせると、およそ270mmまで伸びた。下から新しい茎および花房が出てきたため、切り花にしたが、切らなければもっと長くなっていったと思う。
根
冷蔵庫に入れ、数日で細い根が生えはじめ、最終的には入れ物が根で満たされる。
根は球根の底面全体から生えるわけではなく、底面の円周部分から生えてくる。
内側が空洞になっているのが、なんとなく伝わるだろうか。
容器が根で満たされた頃、太い根が生えてきた。それらの根には白いモフモフがついており、カビかと思って最初は取り除いたが、「太い根すべてがモフモフしていること、細い根にはモフモフがついていないこと」より、きっと「こういうもの」と判断し、放置した。その後、特に根腐れなどは起こしていないので、正しい判断だったのだと思う。
※根毛かなと、いまは思う。
球根
乾いた皮が球根表面から少しずつ浮いてきていること、球根が受け皿より少しずつズリ下がっていることから、成長するにつれ球根のサイズは小さくなっているように感じる。
作文:私とヒヤシンス
子供の頃、学校の課題でヒヤシンスの水耕栽培をしたことがあります。その時、私は根を腐らせてしまい、ヒヤシンスの花を咲かせてあげる事ができませんでした。
トイレの横の手洗い場で、くさってドロドロになった根を洗っていると、近くを通りかかった上級生に「なんかこの辺チョー臭くない?」なんて言われたりして。恥ずかしくて、情けなくて、花を咲かせてあげられなかったのが申し訳なくて。
あれから20数年。私にとってヒヤシンスは、ちょっと悲しい思い出のつまった花でした。
今度はちゃんと咲かせられるだろうか?そんな不安にかられながらも、球根を手に取った日から3ヶ月。根を出し、芽を出し、茎を伸ばし、立派な花を咲かせ、2つめの花も見せてくれたヒヤシンス。特に芽を出してからの1ヶ月は、驚きと喜びの連続でした。
今、切り花にしたひとつめの花は、花房の先から枯れてきています。あぁ、この花も遠からず枯れてしまうのだな。忘れてしまう前に、何かに残しておきたいな。そう思って、ヒヤシンスの記事を書きました。
この先の人生、「ヒヤシンス」という名を聞いた時、あの枯らしてしまったヒヤシンスと共に、私はこのヒヤシンスを思い出すことができるでしょう。数百円の球根が、私の人生を少しだけ明るく豊かにしてくれました。
……と、なんだか大げさな話になってしまいましたが、家で植物を育てるというのはとても良いものです。冷蔵庫とペットボトルと水さえあれば気軽に育てられるヒヤシンスの水耕栽培。みなさんもぜひ挑戦してみてくださいね。以上、sakimitamaがお送りしました。おつかれさまでした。