ゼルダの伝説ブレスオブザ・ワイルドのファンアートを描いたので、制作過程と感想・反省の記録。
描いた絵
使用ツール:iPad Pro12.9(2017)
使用アプリ:Procreate 4.0.8
サイズ:2732*2048px
Procreateの使いかたはいつもiPad Creatorさんで勉強している。隠された便利機能もバッチリ。Procreateで絵を描きたいと思っている方は、ぜひのぞいてみてほしい。
Procreateアプリの使い方・機能解説まとめ
http://necojita.com/procreate
作業動画
うっかり落書きファイルでそのまま作業をしはじめちゃったので、カット編集が入ってるヨ。
描こうと思ったキッカケ
エンディングを見ながら「イーガ団の人達は平和になった世界をみて、何を思うんだろうなぁ」と、思ったから。
ゲームを知らない人のための補足
イーガ団とは、このゲームのラスボスを崇拝する団体。
ゲームのクリア後、つまりラスボスが倒されてしまった平和な世界で、崇拝の対象を失ってしまった彼らは、何を思い、どう生きていくのだろう……。という思いを馳せた絵。
準備
完成形をイメージ
完成イメージを描く。テーマのようなものなので、必要なモノ以外描かない。
「勝者となった主人公たちとの対比」も表現したかったので、場所はゲームのはじまりの場所「回生の祠」にし、ゲームのキービジュアルと同じ雰囲気になるよう、逆光にすることに。
見た人に「ゲーム世界で起こりうる出来事」として感じてほしかったので、公式アートやゲーム内のタッチを目標にした。
資料集め
完成イメージを元に、必要な写真を現実・ゲームで撮影した。
回生の祠からの風景
イーガ団資料
フィギュア人形によるボリュームのイメージ写真
線画
資料写真を元に線画を作成。
主線のない絵にする予定だったので、着色参考用の線画を描く。使用ブラシは鉛筆(6B)
撮影した写真だけでは、イーガ団衣装の詳細がわからず苦労する。
何度も描いていって、粘土みたいに少しずつイメージを仕上げていくのが好き。でもきっと、バシッと線を決められるようになった方がいいんだろうなぁ。
着色
使用ブラシ(全てデフォルトブラシ)
細かい塗り:鉛筆(B6)
大雑把な塗り:ニッコラル
近景の草:ドライブラシ・古いブラシ
ハイラル城周りの霧:フレスコ画
まずはざっくり色を置いて、全体のバランスをみる。
見返すと、こっちの方がいい雰囲気かも……。ドンマイ。
固有色
色が決まったら、資料を参考にひたすら塗っていく。光と陰は後から追加する予定なので、固有色のみの着色。
イーガ団構成員→近景→遠景の順で塗っていった。
光と陰
固有色を塗り終えたら、陰と光を足していく。陰は「焼き込み(リニア)」、光は「スクリーン」で追加した。
今回は光を「スクリーン」で足したが、どうやら「覆い焼き」の方がいいらしい。次はそちらを試してみようと思う。
陰1
上の方は青(空の色)、下の方は緑(地面の色)が入った暗めの色を重ねた。
光
モノのフチに光を当てる。最初は黄色で着色したが、最終的には白にした。
陰2
イーガ団がなんだか「のっぺり」してしまったので、もう一つ陰を足した。
あんまり見えないし、適当でいいだろう、と雑に塗った。加工後に後悔することになる。
(完成後に、ひっそりとデータを直してしまったようで、雑な時の陰データが残ってなかった……。完成絵の背中やお尻の雑さが正しいデータである)
近景について
ゲームのスタート地点であり、重要な場所である、回生の祠前。
近景だけ、公式アートを参考に描いたので、他の部分と少しギャップができてしまった。
(この画像には写ってないけど)影にはイーガ団衣装の赤を入れている。
遠景について
イーガ団同様、固有色+陰+光で着色。
距離があるので、色は薄め+青みを強くした。ハイラル城(左側の城)以外は目立つ必要が無いため、描き込みはほとんどしていない。
ハイラル城もデスマウンテン(右側の山)も、本来ならばもっと遠い位置にあるのだが、わかりやすさを優先し、実際より大きく描いた。
平和な世界を表現するため、天気は晴れにした。
加工・完成
出来上がった絵をInstagramのアプリで加工。ゲーム内の色味・見た目に近づけた。Instagramサマサマである。
2つめの陰がハッキリわかるようになり、適当に塗ったのがバレてしまうが、しかたない。
反省
適当に塗ったのが目立つ結果になってしまったので、次からは気をつけたい。
イーガ団の周りにオフダのエフェクトを入れて、遠景・中景・近景にして、絵に奥行きを出したほうが良かったかも。
今回は一気に仕上げたが、次からは一旦絵から離れて冷静になる時間を設けようと思う。
良かったこと
描いている時、イーガ団の事を考えて少し切ない気持ちになった。悪い奴らなので同情はしないけど。どうやら、絵の中に世界を感じられたらしい。誰かの心を動かす絵を描けるのは、たとえそれが自分であっても、嬉しい。
好きなものを描くのはやはり楽しいので、これからも定期的に挑戦していきたい。
(C)2017 Nintendo