「FireAlpaca」の練習がてら、ダンボーの写真を模写しました。
この記事では簡単なメイキングと、絵を描いていて気がついたこと等をまとめています。
Contents
メイキング
1:背景を塗る
背景をバババッと塗りました。気をつけたことといえば、光を感じるようなグラデーションを目指した事くらいでしょうか。
2:ダンボーのシルエットを描く
これもダダっと塗りました。pixivの厚塗り講座では「適当に」みたいに書いてあることが多いので本当に「適当に」塗ったら、後から直すのが大変でした。
適当にも限度があるようです。
当たり前の事かもしれませんが、パーツの比率などは重要なのである程度は正しく描くことを意識した方がいいと思います。
3:大体の色を塗る
どこに光があたっていて、どこが影になっているのか、ぱっと見でわかるように大げさに塗っています。光と影を入れることで、完成形をイメージできるようになりました。
とは言え、足や手はかなり適当ですね。今思えば、もっと大胆に色を付けたほうが良かったかも。
4:光や影に気をつけて形をとる
画像は右のダンボーを塗り始めたところ。(左のダンボーはキャプチャするのを忘れてしまいました。すみません)
右のダンボーがあまりに適当だったので、輪郭線を描いて形を取りなおしています。
あまりに形が違っていたのでやむなく輪郭線を描きましたが、厚塗りの場合、なるべく輪郭線は描かない方がいいと思います。後から消すのが大変でした。あー、でも輪郭線だけ別レイヤーにしておけば良かったのかも……。次回への課題です。
5:細かい色をつけていく
後はひたすら写真を見ながら色を付けていきます。何度も繰り返し写真を見るので、様々な発見がありました。
陰をつけました。でもまだのっぺりしています。
全身同じ色のダンボーは、陰影をしっかり描かないとフォルムもはっきりせずパッとしません。適当に選びましたが、光と影を理解するのにちょうどいい課題だったと思います。形も簡単だし、何より可愛いので、モチベーションが上がります。
だいぶ色がついてきました。
コントラストを強くしました。暗いところは暗い、明るいところは明るい、写真そのままを描くだけなのに、色を選ぶのに苦労しました。
特に自分には、ぼんやりさせてごまかそうとする傾向があるので、ハッキリクッキリ色を付けるのには結構勇気が必要でした。
右のダンボーに影を入れ、左のダンボーも色を整えました。どこまでやっていいかわからないので、この辺で切り上げました。
6:文字や顔を入れる
Amazonロゴや顔を入れる作業は、一番大変な作業でした。途中で投げ出しそうになるくらい辛かったです。
文字や簡単な記号ほど誤魔化しが効かないということを痛感しました。しばらくamazonの文字は見たく無いです。
ダンボーの顔も単純すぎて、逆に難しかったです。ちょっとズレるだけで可愛くなくなってしまったり。しばらくダンボーは描きたくないです。
7:背景を整え、影を入れる
最後に背景を整え、ダンボーの足元に影を入れました。影が入ると「そこにある感じ」が一気に出てきますね。
影の付け方が適当だと自分でもわかっているのですが、もう疲れてこの絵を見るのも嫌になっていたのでここで終わらせました。また会う日までサヨナラダンボー。
次回はもう少し余裕を持った状態で最後の仕上げに入りたいです。
改めて見てみると、右のダンボーの顔色がちょっと不自然だし、左右のダンボーで形が違うようにも感じます。なかなかうまく描けないもんです。
水彩ブラシを使って濃度や太さを変えて塗っていきました。輪郭は消しゴムを使って整えました。
レイヤーは4枚(写真を入れると5枚)使いました。
ダンボー文字顔
ダンボー色
ダンボー影
背景
(元写真)
感想・反省・気がついたこと
全体の感想
2回めの「FireAlpaca」、まだまだソフトを使いこなせていませんが、趣味で使うには充分な機能があると思いました。これからも使い続けていきたいです。
初めての「写真模写」でした。時間は測っていませんが、8時間位はかかっているのではないでしょうか。いや、もっと?とにかく、とーっても疲れました。絵を描くには「根気」がとても重要なんですね。絵を描く人達を尊敬しました。
人生で一番、一枚の写真を見続けた気がします。おかげで普段見落としていたことにも気がつくことができました。特に光と影、色の関係には深く考えさせられました。
気がついたこと
角度やパースのついた文字を書くのは難しい
この絵で一番苦労したのはAmazonロゴを描く時です。見たまま描いているはずなのに、自分の記憶の中の文字にひっぱられてしまい、気がついたら自分の字になってしまいました。
また、パースが付いているから歪んだ文字を書かなくちゃいけないのに気が付くと、いつもの文字が斜めに並んでいるだけだったりして、思うようにならず、とてもつらかったです。
次回は補助線なども利用してみたいと思います。
反射光は思ったより明るい
今回ダンボーたちが立っているのは、白いザラザラした手触りの机です。どちらかと言うとマットな質感だったので、そこまで光を反射していないと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
左のダンボー、矢印が付いている場所に明るい色が使われているのが分かりますか?光源は天井のライトだけなのに、なぜでしょう。
これは白い机がレフ版の様な役割をして、下からダンボーを照らしているから。いわゆる反射光ってやつです。
反射光の存在は知ってはいたのですが、こんなに明るくなるなんて、こんな場所にあたるなんて思ってもみませんでした。写真を見ずに描いていたら、きっと暗い色で塗りつぶしていたと思います。
私の様なレベルの人間には、実物を見ないとわからないことがたくさんありそうです。
全体を見て色を塗っていく、色は決めておく
メイキングの通り、ダンボーは一体ずつ塗っていきました。途中、色味が揃っていないことに気がつき、修正したりしました。
絵の全体を意識せずに、感覚だけで色を塗っていくと、簡単にバランスが崩れてしまうことがわかりました。
次回はあらかじめパレットを用意して、色を管理してみようと思います。
勇気を持って色を置く
メイキングでも触れましたが、周りとハッキリ異なる色を塗るのには勇気がいります。
「あれ、これ色違いすぎない?もっと似ている色にしようかな」てな具合で日和ってしまいがち。
でも勇気を持って色を置くと、一気に絵がグッと良くなります。ハイライトだったり影のフチだったり。今回のように単調な色の時は、この効果が如実に現れます。
左ダンボーの頭のフチは、周りよりかなり明度が高いです。えー、こんな色入れて大丈夫かなー、と不安でいっぱいでしたが、この色を入れることにより立体感が出ました。腕の影も同様です。きっちり塗れた所は説得力があります。
次回は「勇気を持って色を置く事」をもっと意識したいです。
実際の色を捉えるのは想像以上に大変
この絵は写真から色を拾っていません。あーでもないこーでもない、と、カラーホイールで明度と彩度をいじりながら色を塗っていきました。色相はほぼ変えておらず、かなり限られた色で仕上げました。
それなのに思う様に色を捉えることが出来ませんでした。
自信を持って選んだ色が、実際に塗ってみるとまったく違う色だった!!!なんて事が何度もありました。ずいぶん心を砕かれました。2作目なのに筆を折ろうと思ったくらいです。
このままでは精神崩壊です。そこで私は自分の心を守るため、全力で言い訳を考えました。
そうだ……これなら、私が色をうまく拾えなかった理由ができる!かもしれない……。きっとそうだ!そうに違いない!
というわけで、早速言い訳を初めてみたいと思います。(これから書くことは私が勝手に考えた仮説なので、話半分でどうぞ)
まずはこの絵をご覧ください。有名な錯視の画像です。
一見何の変哲もない絵に見えますが、実は、Aの四角とBの四角は物理的に同じ色。
いやいやいやいや、んなわけ無いじゃん。と思うのですが、同じ色。どう見ても白と灰色なのですが、ホント、マジで同じ色なんです。
AとBをつなげてみました。これだとABが同じ色であることがわかります。信じられない人は、最初の画像からスポイトかなんかで色を拾ってみてください。
なぜこの様な錯視が起こるかというと、【目から入ってきた光の情報】を【私達が知覚】するまでに、脳があーだこーだと色々処理しているからなんですね。(そもそも情報の全ては脳が検閲処理している等の本格的、または京極的な話はスルーします)
私達が見ているものは全て、大なり小なり脳の補正がかかっているのです。
この脳補正、いつもだったら「おもしろーい」で済みますが、絵を描く時にはやっかいです。勝手に色を補正されたら、正しい色が選べるわけがありません。
どうやらこの脳補正、影になっている部分には明るい補正をかけてるっぽい(要出典)ので、自分の感覚で色塗りをすると、のっぺりしてしまうのはこれが原因(要出典)なのかも……と思ったりしました。きっとそうです、私は悪くありません(要出典)、私の脳が悪いんです(要出典)!
思うように塗りたい色を捉えられない場合は、脳みそ補正のこともちょっと考えてみるとうまくいくかもしれません。
最後に
ダンボー模写、苦しい時間もありましたが概ね有意義な時間が過ごせました。特に光と色の関係は、大変興味深く、「なるほどー」とか「へー」とか言いながら色塗ってました。今度は題材を変えて模写をしてみたいです。
時間をかければ誰でもいい感じに出来上がる模写。モチベーションの維持にもつながりそうですし、得るものもたくさん。ぜひ皆さんもやってみてくださいね!