Illustratorの象徴《ヴィーナスの誕生》でお馴染みのボッティチェリ。そのボッティチェリ作品が34年ぶりに日本にやってきた!というわけで、今回はウフィツィ美術館展の感想をお伝えします!
Contents
***おでかけ基本情報***
日時:2014年12月04日(木) 13:30-15:15
交通手段:徒歩
誰と?:ひとり
目的:ボッティチェリの作品を観に行くため
混雑度:人はそこそこいたけれど、ゆったり鑑賞できた
***ウフィツィ美術館展基本情報***
会期:2014年10月11日(土)~12月14日(日)
AM9:30-PM5:30(特定の日はPM8:00まで)
会場:東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)
入場料:当日券(一般)1600円
公式サイト
http://www.uffizi2014.com/
混雑度について
平日ということもあってか、人はそんなに多くなかったです。かなりゆったりと見て回ることができました。昼過ぎに行ったのですが、時間が進むにつれ、人が多くなっていったので、なるべくゆっくりみたいわーという方は、朝の時間がオススメです。また、土日は夜8時までやっている日もあるので、そういう時間を狙うのもいいかもしれません。
グッズについて
ウフィツィ美術館展のグッズ売り場は、展示エリア内にあるので、チケットを購入しないと入れません。
作品を題材にした雑貨、文具が多かったです。ノートとか、クリアファイルとか、ポストカードとか。その他には複製画の予約販売や、イタリアのかわいい雑貨なんかもありました。
入場チケット不要の美術館内のグッズ売り場でも、ウフィツィ美術館展にあわせてボッティチェリ作品をたくさん取り扱っているので、ぜひそちらものぞいてみてください。女神グッズはこちらの方が多いです。
私は図録とポストカード、メガネ拭きを購入。
図録 2400円
ポストカード 各200円
メガネ拭き 540円(美術館の売店)
これで、青緑メガネが曇っても安心!
宗教画の基礎を学んでおこう!
展示されている作品のほとんどが宗教画。多少なりとも宗教画に関する知識があったほうが楽しめます。私自身、そんなに詳しくないのですが、せっかくなので、これから行く方のために、私の知識をおすそ分け!(独学で得た知識なので、参考程度にお願いします!)
sakimitama的宗教画知識。
アトリビュート
西洋美術において人物などに関連付けられた持ち物。持ち物を見ることで、その画に描かれた人が誰なのか特定することができます。青緑メガネ=sakimitamaみたいなもの。
イエス
聖母っぽい人に抱かれていたり、磔にされていれば、この方。頭の上にはワッカ(ニンブス)が付いていることが多く、そのワッカの中に(赤い)十字があれば、まず間違いなくこの方。
今回の美術展では「聖母子+ヨハネ」の画が多いです。赤ちゃんなのに受難の象徴と一緒に描かれていたり、憂いを帯びた聖母に抱かれたりしていて、なんだか胸が苦しくなります。
マリア
聖母。ピンクや赤(神の自愛を表す)の服の上に、青、紺(聖母マリアの象徴)の服を重ね着していることが多いです。ユリ、トゲのないバラ、白い鳩などと描かれたりします。
ヨハネ
洗礼者聖ヨハネ。らくだの皮を着ているので、すぐにわかります。宗教画の中でモフモフしている人がいたら、それはヨハネ。十字架の杖をよく持っています。
ガブリエル
マリアにイエスの誕生を告げに来た、受胎告知で有名な大天使。この時、マリアの純潔を表す白いユリの花を持っていたので、彼のアトリビュートは白いユリ。
sakimitamaの好きな作品
どの作品も素晴らしかったのですが、やっぱり印象に残った作品が何点か。というわけで、私が心を奪われた作品の中から3つを選んでご紹介します!
哀れみのキリスト(ピエタのキリスト)
1497年頃
ペルジーノ(本名:ピエトロ・ヴァンヌッチ)
壁から剥がされ、カンバスに移されたフレスコ画
131*136cm
http://www.wikiart.org/en/pietro-perugino/christ-in-pieta
とてもやわらかい光が特徴のフレスコ画。
悲しい場面なのに、どこかやさしい空気をまとっている作品。おだやかなイエスの表情は、まるで子供の寝顔のようでした。
ピエタのキリスト
1525年頃
アンドレア・デル・サルト(本名:アンドレア・ダーニョロ)
壁面から剥がされたフレスコ
182*113cm
http://www.uffizi2014.com/highlight3.html
(ページ左下の作品)
先ほどと同じく「ピエタ」という題名がついたフレスコ。
ピエタというのは「慈悲・哀しみ」というような意味で、聖母子像の中でも、磔にされたイエスを抱き嘆き悲しむ場面を描いたものです。
ですが、このピエタには、マリアの姿はどこにもありません。ただ、イエスがぽつりといるだけ。
この画は本当に神々しかったです。視界に入った瞬間、他の画が見えなくなるくらい、圧倒的な力がありました。淡く複雑な色使いで描かれたイエスの肉体は、力強く美しかった。
宗教とか、美術とか、そういうものがわからなくても、訴えるものがこの画にはありました。
パラスとケンタウロス
1480-85年頃
サンドロ・ボッティチェリ
(本名:アレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピ)
テンペラ・カンバス
207*148cm
なんといっても、今回の目玉。この作品はウフィツィ美術館で《ヴィーナスの誕生》と《春》と一緒に飾れているんですって!ワー!キャー!
美しい。500年以上も経っているのに、ついこの間描かれたんじゃないかってくらい、美しい。
陶器のような肌、憂いを帯びた瞳、そして、細かく描きこまれた服の柄。まさにボッティチェリ!本物!うぉおおおお!同じ人が描いているので当たり前なのですが、私の愛するヴィーナスに似てるんですよね、顔が。うぉおおおおお!
ちょうど、この画がよく見えるところに椅子が置いてあったんです。だから、そこに座って、ゆっくり眺めることができました。いやー、ほんとよかったー。
やっとわかったよ、ネロ
子供の頃「どうして、ネロは死ぬ前にあの画を見たがったんだろう、ただの画なのに」って、思ってました。
でも、今日、数多くの宗教画を観て、複製でも映像でもなく、本物を観て、その力を感じて、彼が観たかったものが何だったのか、わかったような気がしました。いつまでも見つめていたい、近くにいたい、そういう絵が、あの場所にはたくさんありました。
迷ってるなら、行っちゃいなよ!
知り合いがわざわざイタリアから来てくれたら、会いに行きますよね?
それと同じです。好きな画家の画がわざわざ遠路はるばる来てくれているのだから、迷う余地はありません!もう、観に行くしかないのですよ!
あんなにたくさんの作品を観られて、お値段なんと1600円!これはもう、行くっきゃ無い!というわけで、ウフィツィ美術館展、とーってもオススメです!