ピクサーのアートディレクターだった2人が立ち上げたスタジオ、トンコハウス。世界で初めての展覧会、トンコハウス展 「ダム・キーパー」の旅 に行ってきたので、その感想を記事にしました。
トンコハウス展 基本情報
トンコハウス展 「ダム・キーパー」の旅
会期:2016.3.25 金 – 4.28 木
時間:11:00-19:00
日曜・祝日休館※3月27日(日)は開館
入場料:無料
混雑度
初日&オープニングパーティということで大混雑。普段はゆったりと見れそうですが、イベントのある日はかなりの混雑を覚悟したほうがいいかも。
おでかけ基本情報
行った日:2016年03月25日(金) 17:10-19:00
交通手段:東京メトロ銀座線 新橋から徒歩
誰と?:ひとりで
目的:『ダム・キーパー』関連の展示を観るため
混雑度:初日ということもあり、混雑していた
行った経緯
先日行ったピクサー展で「堤さんとコンドウさんの描く絵が好きだなぁ」と思ったから。
他の絵も観てみたいと調べると、2人で独立してスタジオを立ち上げ、短編映画を作り、さらに今、日本で展覧会をやっていると知ったので、駆けつけた。ピクサー展早めに行っておいてよかった……。
こんな人にオススメ!
- ダム・キーパーが好きな人
- クリエイターの直筆作品が観たい人
- 模型やジオラマが好きな人
超ド級のおすすめポイント
おすすめポイントてんこ盛りのトンコハウス展ですが、その中でも特に強調したいポイントをご紹介します。
直筆イラストがそこかしこに!
直筆イラストの展示があるのはもちろん、会場のアチコチに、かわいらしい直筆イラストが。
様々なところに隠れているので、ぜひ展示物以外にも目をむけてみてくださいね!
写真撮影OK
ここまでガッツリ、撮影OK!(んでもってぜひみんなに広めてね:) )というのも珍しいです。
写真を見るたびに、その時の感動を思い出せるって素敵ですよねぇ。
無料!
これだけ素晴らしいのに無料なんです。
無料ってことは、ふらっと寄って観られるってコト!お金がない学生さんでも行けるってコト!人にも気軽にオススメできるってコト!
新橋と銀座の間くらいと、アクセスもかなりいいので、ガッツリ楽しむぞ!という方はもちろん、ちょっと時間ができちゃったな〜とか、お買い物のついでに〜なんて方にもオススメデス!(日曜・祝日休館は閉館なのでご注意ください)
展示内容簡単紹介!
トンコハウス展は3つの部屋で構成。それぞれの部屋の簡単な説明・見どころと、私のお気に入りポイントをご紹介します。※部屋の名前は私が勝手につけました。
トンコハウスの部屋
一番初めはトンコハウスの部屋。トンコハウスができるまでの様子や、二作目の短編映画となる『ムーム』のアートワークやマケット(模型)、まだ形になっていないストーリーの断片たちが展示されています。
次回作『ムーム』が楽しみ!
見どころ:構想中の作品群
構想中や発表前の作品に関する展示がメインのこの部屋。普通、この手の情報は外に出ないものですが、なんと、トンコハウス展では大胆公開!個人的にはタコのヤツが可愛らしくて楽しみです。
お気に入り:直筆のスケッチブック
この部屋で一番印象深かったのが、両監督の直筆スケッチブック。
こんな感じで本物が置いてあります。
手のひらサイズのスケッチブックにサラサラっと描かれただけのスケッチなのに、その中には鮮やかで大きな世界が広がっていて、今にも時間が動き出しそう。
ダム・キーパーの部屋
次の部屋は短編映画『ダム・キーパー』の部屋。たくさんのアートワーク、マケット、ペインティング技法の解説や、作品を通した教育活動などに関する展示がありました。
見どころ:立体作品
クリエイター同士でキャラクターを共有するために使われるマケットや、こま撮りアニメーションのスタジオ「ドワーフ」さんのコブタ君など、この部屋は立体作品が多め。
立体作品は、ココだけでしか見られないものですからネ。ぜひ、穴が空くほど見つめてください。
お気に入り:情景の描き分け(映像展示)
この部屋のお気に入りは、情景の描き分け風景を撮影した動画。部屋に入ってすぐ右のディスプレイの映像集の中にあります。
コブタ君がガーデンで椅子に座っている一枚の絵を「晴天」「くもり」「雨」「夜」と4つ(だったと思う)のシチュエーションで描き分ける様子(CG)をひたすら流す内容です。
これ、絵を描く人はぜひ観て欲しい。へぇ、この機能を使って描いているんだ!とか、こういう順番で描くんだなぁとか、とにかくノウハウがぎっしり。技術的な面で「この絵はどうやって描かれているんだろう」と思っている方に超オススメ。
ホント面白すぎて何周でも観てられます。ちなみに、私は4周くらい観ました。時間が許せばもっともっと観ていたかった……素晴らしい映像でした。
コブタくんよりも先に撮影してしまったパネル群。PhotoshopCS6でした。
旅の部屋
現在、製作が進んでいる『ダム・キーパー』の長編作品をテーマにしたこの部屋。はじめの部屋と同じ様に、未発表作品のアレやコレやを大胆に公開しちゃってます。
「今度のお話はどんなことが起こるんだろう……」と、観ているだけでニヤニヤしてしまいます。
見どころ&お気に入り:荒木智さんのジオラマ!
この部屋の見どころとお気に入りは何と言っても、荒木さんのジオラマ!
部屋の真ん中にドーンと置かれた風車小屋。もちろんこれも写真撮影OK!ずーっと眺めて(妄想してい)られる素晴らしさ。観れば観るほど面白い。
こんな作品をガラスケース無しで展示してくださるなんてッ!
比較的女性客の多い中、男性客の皆さんがキラキラした瞳で、食い入るように見つめていたのが印象的でした。
おみやげ
売店ではココでしか手に入らないトンコハウスグッズが販売中。うっかり写真を撮り忘れましたが、アートプリント・Tシャツ・トートバッグ・メモ帳・マスキングテープなどのグッズが売っていました。
『ダム・キーパー』の映像ディスク、『アート・オブ・ダム・キーパー』は会場購入特典として、両監督サイン入りアートプリントがついてきます!(先着300名)
私は『アート・オブ・ダム・キーパー』とポストカードセット購入しました。
オープニングパーティで画集にサインを頂きました!
まとめ
トンコハウス、世界で初めての展覧会
トンコハウスの初めての展覧会は、日本のギャラリーで行われました。最初は「へぇ」としか思わなかったのですが、今思うとコレってすごいことですよね。
もちろん、様々な面で日本と縁があるのもわかるけれど、トンコハウスの拠点はアメリカ。映画の公開だって、グッズや書籍の販売・情報公開だってアメリカの方が先です。
そんな中で、日本を選んでくれた。世界のどこよりも早く、トンコハウスの中身をちょっと見せてくれる。ありがたいことです。
両監督の絵に対する印象が変わった
ピクサー展でお二人の絵を観た時、「人の頭の中をのぞいた様な絵だな」と思いました。でもって、お二人の絵はとても似ているなぁと。
けれど、『ダム・キーパー』やトンコハウス展を観て、同じ「人の頭のなかの風景」でも、違いがあることに気がつきました。
堤さんの絵は「美しい」です。「人の頭のなかにある大切な思い出を観ている」ような気分になります。嬉しかった思い出はより明るく、怖かった思い出はより暗く。死ぬ前に見るとされる「走馬灯」はこんな感じだろうなぁ、こんな美しい走馬灯が見たいなぁ……そんな作品です。
コンドウさんの絵は「愛おしい」です。「人の頭のなかにある夢や想像の世界を観ている」ような気分になります。ブロックを使って「これは僕の家で、これは車で、ここには犬小屋があって……」そうやって遊んでいる子どもの頭をのぞいて、「ふふ、こんなこと考えてるんだ」と微笑んでしまうような、そんな作品です。
私は絵を観ただけだけれど、この展覧会のおかげで、お二人についてより深く知ることができたような気がしました。
楽しんでいってネ!感がすごかった
ホスト側の「どうぞトンコハウスと『ダム・キーパー』を楽しんでいってください!」というパワーがすごかったです。
入場無料だったり、撮影OKだったり、精巧なジオラマだったり、誰でも絵が描ける黒板だったり、会場のあちこちに直筆のイラストを描いてくださってたり。とにかく、いたるところから「楽しんでいって欲しい」という気持ちが伝わってきます。
中でも一番感動したのは、展覧会初日のパーティで、急遽決まった(と思われる)サイン会にも関わらず、予定の時間を大幅に、それはもう大幅に延長して最後まで対応してくださったこと。
並んでいる途中に「一応並んでいるけれど、サインは絶望的だな……」と思ったりしたのですが、無事サイン&写真撮影をしていただきました。
ありがとうございます!
他の展覧会だったら、会場の時間だとか、関係者の予定だとか、大人の事情でやむなく打ち切られていただろうに。でも、あの日、トンコハウス展の方達は「ファン」を一番に考えてくれました。
きっと2次会的なモノもあったろうに。両監督は来場した関係者の方たちとお話したかったろうに。もう、感謝の気持ちしかありません。
堤監督、コンドウ監督、オーさん、クリエイションギャラリーG8さん、会場スタッフのみなさん、トンコハウスのみなさん、本当にありがとうございました。あの夜のことを、私は決して忘れません。
というわけで、これから行く皆さんは、トンコハウス展の「楽しんでいってネ!」の気持ちを全力で受け止め、思う存分楽しんでいってくださいね!最高に素晴らしい展覧会ですよ!
以上、トンコハウス展「ダム・キーパー」の旅 の感想、sakimitamaがお送りしました。お疲れさまでした。