私の身内に、手術の後遺症から髪の毛のない女性がいます。彼女は外ではウィッグ、家ではバンダナをして過ごしています。
久しぶりに会って、そういえばいつも似たようなバンダナだな、ペイズリー柄のバンダナをあまり気にいっているようには見えないな、ずれてしまって大変そうだな、と思ったので、華やかで使いやすいバンダナっぽいモノ作ることにしました。
医療用帽子とは
ケガ・病気療養中の頭部保護のための帽子。一言に「医療用帽子」といっても、使う人の事情は様々なので用途に合わせた実用性が求められます。
参考サイト
今回、手ぬぐいで医療用帽子を作るにあたって、以下のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。作り方そのものはこちらのブログをご参照してください。
手ぬぐいde医療用帽子
http://ameblo.jp/munimuni-anchan/entry-12059002548.html
ずれない手ぬぐい帽子
https://ameblo.jp/fchieko/entry-10866422267.html
手ぬぐいを選ぶ
手ぬぐいは浅草にある手ぬぐい屋さん「かまわぬ」と「くるり」で購入しました。
柄を選ぶ際は、裏表に色の差がない「注染(ちゅうせん)」のモノを選んでください。
今回は柄付きの手ぬぐい2枚とガーゼの手ぬぐい1枚を購入しました。
かまわぬ
いろどりガーゼてぬぐい 1400円 約33cm×117cm 綿 100%
ガラスウェア 水色ぼかし 1000円 約33cm×90cm 綿 100%
くるり
ディズニー手ぬぐい くだもの 1400円(だったと思う) かまわぬのものより一回り大きい
準備
使い始めの手ぬぐいは色落ちしますし、ハシがほつれるので、先に手もみ洗い→干すを数回繰り返しました。
絞った水に色がついている様子(わかりやすいように加工しています)
端がほつれている様子。
1回で出た糸くず。結構ほつれます。ガーゼ手ぬぐいはほつれないように加工してあるので便利です。
数回洗ったら、縫いやすいようにアイロンをかけます。ノリはつけません。
縫う
後は作り方の通り縫っていくだけ。基本的な縫い方は参考サイトを見てください。この記事では基本の縫い方からアレンジを加えたところだけ紹介します。
[1]折って縫う
手ぬぐいを折り返して、帽子の基本となる部分をつくります。
……今このブログを書いていて気がつきました。私、このステップの縫う部分、まるっとすっとばしてます。……うっかり縫うのを忘れても、カタチになるみたいです。はい。
変えたトコロ:折る箇所を変更
ガーゼ手ぬぐいは一般的な手ぬぐいとサイズが異なるので数値を変更しました。
ガーゼ手ぬぐい→端から25cmの所で折る
[2]折り返して縫う
おでこにあたる部分を縫っていきます。数値は変更せず、そのまま縫いました。
裁縫上手のほうが、きれいに仕上がるのでは?と、試してみましたが布が固くなってしまったので縫ったほうがいいと思います。
上がまつり縫い。下が裁縫上手。
硬さが気に食わなかったので、結局この柄は自分用にしました。手ぬぐいに罪はありません。横着をした自分が悪いんです。ごめんねミッ◯ー。
縫い終わったトコロ
[3]後頭部の部分を縫う
後頭部にあたる部分を塗っていきます。
変えたトコロ:縫う長さを変更
通常の方は後頭部がなるべく出ないように、ガーゼの方は結べるように縫う長さを変更しました。
通常の手ぬぐい→L字型に縫う
ガーゼ手ぬぐい→端を15cm残して縫う
[4]てっぺんを縫う
変えたトコロ:縫う場所を変更
最後に頭のマチ的な部分を縫います。
そのまま縫うとマチ的な部分が大きくなってしまったので、縫う長さが11cmくらいになるようにしました。
ガーゼは9cmくらい。
完成
無事完成しました。
つけ心地や見た目はガーゼタイプが一番良いです。ただ、生地が薄く透けてしまうので外出時には向きません。
実際に被った様子
ウィッグ用のネットがなくお団子になってしまっていますが、少しでも参考になれば。帽子から見えている髪の毛は、ヘアバンド状にしたリボンウイッグです。帽子に直接縫い付けることも考えましたが、とりあえず今回は別々で。使用感を聞いて次回に活かしたいと思います。
かぶりたいと思える帽子を
私が物心ついたときから、彼女はウィッグを使っていました。私にとってはそれが当たり前で、彼女もそう思っていると考えていました。
時が経ち、彼女が手術を受けた時の年齢に近づいた頃、私はようやくそれが「仕方がなかった」だけで、まったく「当たり前」ではない事に気がつきました。
今回、自分で帽子を作るにあたってネットで色々調べてみました。どんな人が必要としているのか、どんな帽子が必要とされているのか。
調べてみて一番衝撃的だったのは、その選択肢の少なさです。無地とか淡い色のボーダーばかりで、キャラクターものなんて一切ありません。用途によって素材に制限があるのは理解できますが、いくらなんでもシンプルすぎる。
スライムの顔がついた帽子があったっていいじゃないですか。和柄の帽子があったっていいじゃないですか。ギラギラした帽子があったっていいじゃないですか。
私は彼女と同じ病気になりやすい体質です。いつ自分が医療用帽子を使う立場になってもおかしくありません。もし自分がその立場になった時、選択肢が増えるように、かぶりたいと思える帽子が増えるように、自分にできることを探していこうと思います。
以上、手ぬぐいで作る医療用帽子、sakimitamaがお送りしました。ありがとうございました。