先日のAdobeイベントでフォントに関するセッション「フォントが生まれる話」を見て、久しぶりに文字を描いてみたいなーと思い、10年ぶりにPOPを描いてみることにしました!というわけで、今回はPOPに関するエントリーです!
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POPライターという職業。
先日、ドン・キホーテのPOPライターさんの神業が話題になりましたね。あまり表に出ることはありませんが、世の中には「POPライター(ポッパー)」という職業があります。
店頭広告を手描きで作る人達です。
かくいう私も、昔、ドラッグストアでPOPライターとして働いていました。ドン・キホーテの方たちのように「専業POPライター」ではなく、業務の合間にPOPをつくる「兼業ライター」でしたけれど。
私が働いていた会社では、本部に専業POPライター数名、各店舗に兼業POPライターが数名といった感じ。事務所で座ったまま自分のペースで作業できるし、他の仕事を免除してもらったりしていたので、かなり快適な労働環境でした。
相手の意図をくみながら、黙々と何かをつくる、そういうのが好きな人にはおすすめの職業です。
POPのできるまで
商品の近くに貼られているPOP、完成したものしか見たことないですよね?どんな風につくられているか、気になりません?なりますよね?
というわけで、このPOPを例につくり方を見ていきましょう!
(※素晴らしいIllustratorの技術書『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)は、ドラッグストアではなく、書店でお買い求めください。)
メイキング 動画はこちら
構成・文句を考える
商品の説明を聞いて、どんな言葉を描くかを決めます。「インフルエンザの季節到来!」とか「予防対策はお済みですか?」とか。
今回の場合、商品名が長いので、このような文句はほとんど入れられませんでした。もう少しスペースがあったなら「伝説のIllustrator本 CC2014対応版!ついに発売!」とか「全DTPerが泣いた!驚愕のお役立ち度!」とか入れたいですねw
下描き
動画を撮影するので、かなりカッチリ下描きをしましたが、普通はもっと適当です。すぐ捨てられる運命なので、あんまり時間はかけません。
一番苦労したのは「Illustrator」。日本語は基本四角に収まるので、配置しやすいのですが、英語は字幅がバラバラなので、うまくバランスをとるのが難しいです。
文字の中を塗る
文字の中を塗っていきます。今回は細いポスカしか無かったので、とんでもない時間がかかりましたが、通常は、極太ポスカでガッシガシ!
綺麗な塗りあとになるように、同じ方向にペンを動かします。
フチを描く
アピアランスパネルを開きます。黒や白のポスカでフチを描いていきます。
今回は全部黒でフチどりました。黒文字は白でフチを描くことが多いです。
通常のフチだけではいまいちだったので、さらにカタマリごとにフチをつけました。
ハイライトをつける
白いポスカで文字にハイライトをつけます。ハイライトをつけると、一気にそれらしくなりましたね。
細かい部分や、小物をつくる
「円」を描いたり、装飾なしの文字を描いたり、貼り付けるフキダシをつくったりします。フキダシだけのPOPをつくることも多いです。
ラミネート加工する
今回はやっていませんが、通常はPOPの強度をあげるため、ラミネート加工をします。ここで失敗するとすべてが台無しなので、ある意味、一番の山場です。
完成!
ラミネートの上からフキダシを貼って、完成です。お疲れ様でした。
Illustratorならあっという間にできたのに……
10年ぶりのPOP、想像以上に難しく、手間と時間がかかりました。でも、楽しかったです。やっぱり手を動かして何かをつくるっていいですね!
まとめ
いかがだったでしょうか、かなり駆け足でしたが、POPのできるまで、楽しんでいただけました?
見てもらえる時間は数秒だけれど、売上に大きく貢献する手描きPOP。CG技術が発展した現代でも、手描きPOPがなくならない理由は、POPの向こうに、「誰か」を感じるからかもしれませんね。
このエントリーを機会に、手描きPOP注目してみてくださいね!よくみるといろんな工夫が隠れていておもしろいですよ!
以上、sakimitamaでした!