2018年5月21日 東京都九段下のボーンデジタルさんで行われたデジタルスケッチ講座に行ってきました。その感想と描いた絵をまとめています。
Contents
この記事はこんな人にオススメ
- デジタルスケッチをやりたい人
- トンコハウスが好きな人
- 長砂賀洋さんが好きな人
- 光を捉えてみたい人
Before After
このワークショップを受けて、自分の絵がどんなふうに変わったか。みなさん気になるところだと思うので、先に。
1枚目はワークショップ中に描いたもの。2枚目は長砂先生のペイントオーバーを参考に、帰宅後、写真を見ながら描きました。どちらも1時間で描いています。
写真と現物、1回目と2回目という違いはもちろんありますが、同じ時間内で捉えられる情報・表現できる幅が増えたなーと思います。
こうして、目に見えて変化があるって楽しいですよね!
基本情報
開催日:2018年5月21日
時間:19:00-22:00
会場:ボーンデジタル 6F セミナールーム
参加費:10800円
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この記事を書いているsakimitamaはこんな人
絵を描くのが好き。トンコハウス作品が好きで、トンコハウス流(という言い方が正しいのかわからないけれど)世界の捉え方を知りたいと思ったから。Schoolismのトンコハウス講座を受講していて、「正直、英語だからよくわからないな」的な部分を補いたいと思ったから。
講師の長砂賀洋先生について
鳥取県出身。京都精華大学テキスタイルデザインコース卒業。アニメ美術背景スタッフとして多数の作品に携わった後、渡米。トンコハウスの堤大介、ロバート・コンドウ監督作品「ダム・キーパー」ペイントリード。「Moom」アートディレクター。「ダム・キーパー、コミック全3巻」アートリード。現在もトンコハウスのプロジェクト参加中。
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長砂先生に関してはこのトンコハウスのスタッフ紹介動画を観ると、どんな方なのかよく分かると思います。素敵な方です。
ロバートの「Wow that Wow」がすごい好きw
会場はどれくらいの広さ、規模?
(当日の講義内容は撮影不可でしたが、モチーフはOKということで、撮影させていただきました。)
セミナーが行われたのはボーンデジタルさんの会議室。今回は30人程度の人が参加しました。
1グループ6人で同じモチーフを共有します。それが5グループ。描きやすい位置、メインスクリーンが見やすい位置ってのもあると思うので、自分の望みに合わせた席を選びましょう。
ボーンデジタルセミナーでお馴染みの「書籍の割引販売」もあります。専門書で20%引きって大きいです。書籍のサンプルもあるので、気になる本がある方はぜひぜひ利用してみてください。
みんな何を使っているの?
実際にモチーフを描きながら学ぶ「ハンズオン形式」のセミナーということで、それぞれがデジタルツールを使用していました。
私はMBP・Photoshop・ペンタブレットで参加。iPadの方もかなりいらっしゃいました。基本的にPsでワークショップは進みますが、Psに特化した内容ではないので、使い慣れたお好きな道具で参加するのがいいと思います。
全体の流れ
私が行った時はこんな流れでした。(記憶に頼っているので、間違ってたらごめんなさい)
・長砂先生の簡単な挨拶、説明
・モチーフを描く(1時間)
・休憩
・ペイントオーバー(各グループ1名)
・講義
—-おしまい—–
・希望者へのレクチャーなど
使い慣れた道具で
くりかえしになりますが、当日使うツールは「自分が使い慣れたモノ」にしたほうが良いです。
どのようなツールであれ、基本操作を把握しておくと、セミナーを十分利用できるのではないかなと思います。ぶっつけ本番でもなんとかなるとは思いますが、時間もお金ももったいないです。
「ツールの使い方がわからない」という、本題とは関係ない部分でのつまづきは極力避けましょう。
トンコブラシの配布もあるので、個人的には
使い慣れたPs>使い慣れたiPad>初めて触るPs>初めて触るiPad
の順番でオススメです。
モチーフを描く(1時間)
簡単な説明の後、あっさりスタートします。
もし時間が許すならワークショップまでに「当日使用する環境で、1枚くらい静物画を描いておく」と、ペース配分やアプリの使い方がわかって良いかもしれません。
自己紹介タイム
この静物画を描いている間に、順番に自己紹介をしていきます。名前・このセミナーに来たキッカケなんかを簡単に。
同じ業界の知人を増やすチャンスでもあるので、知り合いを増やしたい方は、大きな声でガンガンアピールしちゃいましょう。
また、私のように人前で話すのが苦手な方は、……がんばってください!みんな絵を描きながら聞いてるから、みんなに見つめられるわけじゃないから、大丈夫だから!ファイト!
絵を描きながらだったので、なんとな~くしか聴いていませんでしたが、ものづくりの業界で働いている方が多かったです。
あ、でも私みたいに完全な素人もいるので大丈夫ですよ!
休憩時間
「もしよかったら、描いた絵を見て回りたいから、見えるようにしておいてね」的な声かけがあるので、多くの人が自分の作品を見られるような状態で席を離れます。
私は余裕がなくて、トイレ行ったり休んだりしちゃいましたが、同じモチーフを他の人がどう描いているのか、そもそも、どう捉えているのかってすごく面白いので、他の人の作品をのぞいてみるといいと思います。
ペイントオーバータイム
ここでいう「ペイントオーバー」とは、長砂先生による添削のこと。各テーブルから1人、受講者の代表としてペイントオーバーを受けることができます(計5人)。複数希望者がいた場合は、ジャンケンで決めました。
ペイントオーバーでは、自分の絵に足りないものがダイレクトに分かります。「えー!たった数分でこんなに変わるの!」と、感激すること間違いなし。
プロの方に添削してもらえるって、めったにないチャンスなので積極的に立候補しましょう!
もしジャンケンに負けてしまっても、ワークショップ終了後、先生・会場の都合に余裕があればアドバイスを貰えます。ジャンケン弱くても大丈夫!
長砂先生による講義
ペイントオーバーの後は、先生による講義の時間。普段意識していることや、考え方、働く上で大切にしていることなどを教えていただきました。あ、あと堤さんへの愛も。
アーティストの方の「作品以外の言葉」を聴けるのは、こうしたワークショップならでは。技術的なことに加え、哲学的な、内面的なお話も伺えたのが良かったです。
個人的に印象的だったものをいくつか。
「実験」
先生が、絵を描くことを「実験」と表現していたのが心に残っています。
私の中では、絵を描くことはいつも「挑戦」であって、だから思うように行かなかった場合、それはつらい失敗でした。
でも「実験」と考えれば、失敗はつきものだし、失敗も大切な結果の一つ。ちゃんと分析すれば、次に生かしていける。この考え方は、すごくイイな、と思いました。
ただの言葉の違いなんですけど、私にとっては大きな発見でありました。
「一貫している」
「一貫している」ということは「ブレない」こと。ブレないでいれば、周りはその様に扱ってくれる。
この言葉も印象に残っています。私は自分というものに自信を持てていなくて、この先どうしたいのか自分でもよくわからない、長いこと、そんな霧の中にいます。
周りにとって、自分とはどんな存在なのか。そんなことばかり考えてしまいます。でも、順番が違っていて。しっかりした私がいてはじめて、周りにとっての私ができあがる。他者にとっての自分っていうのは後からついてくるものなんだなーと思ったのでした。
希望者との交流
ワークショップ終了後、希望者へのペイントオーバーや相談タイムがありました。
一人ひとり丁寧にお話をしてくださるので、観てほしい絵がある方は、当日持っていくと良いのではないかと思います。世界で活躍するアーティストの方に絵を見ていただけるチャンスって、なかなかないです。
しかし、これはどの分野でも感じることですが、トップで活躍する人って、本当に自分のスキルや知識を惜しげもなく共有してくれますよね……。作品だけでなく、人間として素敵……。いろいろなことに感動した交流タイムでした。
感想:たくさん観て、たくさん描く
以前に比べて、最近少し絵を描く量が増えました。でも、描けば描くほど「足りない」を感じます。描きたい絵があるのに、描けない。だから練習して勉強して、また描いて、ちょっと上手くなって嬉しくなって、でもまだまだ描けなくて、悔しい思いをして。
毎日それの繰り返し。だって、どの先生も「たくさん描きなさい」って言うんですもの。長砂先生も、その一人。
その言葉を聞くたびに、「やっぱりコレしか無いんだな」とほんの少〜しガッカリします。魔法みたいに突然上手くなんてならないんだなって。一本一本、線を引くしか無いんだなって。
でも、たとえ魔法がなくても、私は絵を描きたいです。長砂さんや堤さんのような、心に飛び込んでくるような絵を描きたいです。大切な人に思いを伝える、一枚を描きたいです。
逆に考えれば、描けば描くほど自分の理想に近づいていけるのですから、心強いですよね。とってもシンプル。みんなそうして上手くなった。だったら、私も安心して歩いていけばいい。
先生の言葉を聴いて、同じ様に学んでいる人たちと同じ空間を共有して、「みんな同じなんだ、よし、また頑張っていこう!」そんな風に思えたワークショップでした。
というわけで、デジタルスケッチから学ぶ画面作り実践講座のレポート、sakimitamaがお送りしました。
海外で活躍したい、これから色んな作品を作りたい!そういう方にオススメのワークショップです。きっとこの先も定期的に開催されるはず!(してほしい)なので、機会があったらぜひ申し込んでみてくださいね!
長砂先生、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、とても楽しい時間をありがとうございました。お疲れさまでした〜。