2017年10月14日、東京九段下で行われたドローイングセミナー「Ki Creative Studio Basics特別版!」に参加。ドローイングの基礎や、ジェスチャードローイングの考え方を学んできました。簡単な内容、感想、描いた絵をまとめています。
イベント基本情報
Ki Creative Studio Basics特別版!
開催日:2017年10月14日(土)
時間:10:30~15:30(うち 休憩40分)
会場:ボーンデジタル 6F セミナールーム
参加費:5000円
公式サイト
https://www.borndigital.co.jp/seminar/5501.html
この記事を書いているsakimitamaはこんな人
独学で絵の勉強をしている。最近体調が悪くずっとペンを持てないでいた。このセミナーをキッカケに、また絵を描けるようになりたいなーと思って参加した。
セミナーについて
毎月行われているドローイングセミナー「Ki Creative Studio」の特別版。
普段はモデルさんを前にしたジェスチャードローイングがメインのKi Creative Studio、特別版の今回はドローイングの基本やジェスチャードローイングの考え方など、座学的な要素がメインの内容でした。
簡単な内容
- ドローイングの基本要素
- 鉛筆の持ち方
- ウォーミングアップの方法
- 遠近法について
- ラインオブアクションとは
- ジェスチャーとは
- ジェスチャーの練習方法
- ジェスチャードローイングの考え方
- カーブとリズム
- Flour Sackくんで感情表現
- 実際のモデルさんでジェスチャードローイング
- アーティストになろう!
- 自習の仕方
- 質疑応答
描いた絵
ウォーミングアップ
透視法
感情を表す
写真を参考にドローイング
モデルさんを参考にドローイング
お気に入りの一枚
sadとhappyの感情を1分×3体ずつ描きました。sadのジェスチャーはスムーズに描けたのに、happyがなかなか思いつかなくて、もっと幸せを身体で表現しないとな……と反省した一枚です。
感想
苦しかった……
実践トレーニングでは写真やモデルさんを見ながらの1~3分ドローイングがメインでした。
数分でラインオブアクションを見つけて、ジェスチャーを捉えて、自分の中で変換して、カーブを使ってリズムをつけて、紙に落とし込んでいく……。限られた時間で様々なことをこなさなければならず、とてもとても苦しい練習でした。
アイディアも出ないし、思った線も引けないし、そもそも引きたい線が見つからない。頭の中も、ペンを持つ手も軽いパニック。
自分に足りないところをガンガン突きつけられ、私にはまだ早かったかもしれない……なんて、ドローイングをする度に凹みました。
楽しかった!
辛い、苦しい……とネガティブ気分ではありましたが、手を動かすのはやはり楽しかったです!
1ヶ月ぶりくらいにペンを持って、紙に絵を描くことができました。
自分の指先から新しい世界が生まれる様子は、何度見ても魔法のようで。久しぶりにワクワク楽しい気持ちになれました。
モデルさんも素敵でした
モデルさんは表現力が豊かな方で(舞台女優さんかな?)、絵を描かなきゃいけない状況なのに、身体の動かし方・表情についつい魅入ってしまいました。
何も置かれていない空間が原っぱになったり、宝物の隠し場所になったり。どんなシュチュエーションなのか一瞬で伝わってきました。
相手に瞬時に感情・ストーリーを伝えるというのはアクションドローイングでも重要なテーマです。ジェスチャーを読み取るため、絵ではなく文字でモデルさんの様子を描写しても良かったな~と思いました。
アーティストになろう!
Ki先生の授業では「見たままを描くのではなく、自分のアイディアをカタチに」という主旨のことを繰り返し教えられます。
コピーするのではなく、アーティストとして作品を作る。
コレがまぁー難しい。毎回脳みそをヒリヒリさせながら挑戦しました。
「自分のアイディアを表現する」は「見たまま描く」より険しい道程ですが、頭の中のピースがピタリとハマって上手くいったときは、とても気持ちがいいものです。
誰のモノでもなく、私だけの絵。とても愛おしい。
正確な模写は練習すれば誰でもできるようになるけれど、自分を通して表現する絵は私にしか生み出させない。自分の表現を見つけることで、作品に対する自信にもつながるのかな……と思いました。
今後は「正しく見る力」「見たものをそのまま表現する力」に加えて、「自分のエッセンスを加える力」にも意識を向けて練習しようと思います。
楽ではない事を知っている
今回のセミナーで一番心に残っているのは、終盤のKi先生の言葉です。(聞き入ってて、メモを忘れてしまったので、だいぶ脚色入ってるかもしれません……)
「自分も絵の勉強をしてきたら、絵のトレーニングが楽でないことを知っている。時には上手く描けなくて、自分で描いたものを見たくない、捨ててしまいたいと思うこともあるだろう。でも、そういう絵は自分に足りないものを教えてくれる、自分のレベルを上げる為の要素がたくさん詰まっている。だから目を背けず向き合ってみてほしい」
そしてこの言葉を紹介してくれました。
“We all have 10,000 bad drawings in us. The sooner we get them out the better.”
―Walt Stanchfield
これはディズニーのアニメーター、ウォルト・スタンチフィールドさんの言葉。
私なりに日本語にすると「誰でもみんな、自分の中に1万の悪い絵を持っている。たくさん描いて、その悪い絵を早く外に出してしまえば、良い絵が描けるようになるよ」といった感じでしょうか。
Ki先生の言葉(と引用)は、ジェスチャードローイングの練習でベコベコに凹んでいた私にとても良く響きました。
あんなに上手なKi先生も苦しかったことあったんだ……とか、「自分の中の悪いものさっさと捨てちゃえ~」って感覚で絵を描いてもいいんだ……とか。
うまく表現できなかった時でも「今、私の中からbad drawingが一つ出ていった!一歩進んだ!」と、ポジティブに考えられるのは良いことですよね。
まとめ
久しぶりにペンを持った4時間は、自分の実力と向き合わなければならない辛い時間でした。でも同時に楽しくもあったし、背中を押してくれる言葉にも出会えた良い時間でもありました。
教わったことを身につけるまでがセミナー。恐れず腐らず、1つずつ。自分の中の悪い絵を出して、良い絵を描いていこうと思います。
以上、Ki Creative Studio Basics特別版!のレポートsakimitamaがお送りしました。お疲れ様でした。